梨の保存方法について
梨が届いても冷蔵庫に入りきらず、仕方なく常温で放置しているという話を良く聞きます。しかし、梨は暑さにとても弱い果物です。特に幸水梨は数日放置すると急速に劣化します。そこで、誰でも簡単に出来る梨の保存方法について取り上げてみようと思います。
ここで取り上げる保存方法は、あくまでも誰もが簡単に出来るやり方を考えたもので、保存効果を保証するものではありません。保存については全て自己責任で行ってください。保存結果について鈴木梨園は一切責任を負いません。また、梨の保存はあくまで冷蔵庫が基本です。
(1) ネットを取り出す
届いた梨の箱を開けると、写真のようにワンパッドと呼ばれるクッション材が最初に現れます。
ワンパッドを取り除くと梨が現れます。梨は専用のパックの上に乗せられています。
梨をパックごと取り出すと、底部にはネットのクッション材が入っています。保冷のためには、このネットを取り出します。
(2) 保冷材を入れる
梨を箱に戻します。
ネットをかぶせます。
ネットの上に保冷材を乗せます。
(3) 断熱効果を高める
断熱効果を高めるためにワンパッドを上に乗せます。
最後に箱を閉じます。
保冷材が入っている分、フタが山形になってしまいますので、新聞紙などで覆いをしてください。外部の空気を遮断するだけでも断熱効果が高まります。
これで超簡単簡易クーラーボックスの出来上がりです。
(4) その他
梨の大きさについて
梨の大きさはS、M、L、2L、3L、4L、5L、6Lという順番で大きくなっていきます。5キロ箱ではサイズが1ランク上がる毎に2個ずつ少なくなり、1個あたりの大きさが大きくなります。
当園では、幸水梨で3L〜6Lが主に出荷されます。収穫初期は3Lサイズが中心で、最盛期は5Lサイズが中心になります。豊水梨、あきづき梨ではさらにサイズがワンランク上がり、4L〜6Lサイズが出荷されます。
お客様から「梨は大きいと大味になるんですか?」という質問をよく受けます。しかし、梨は一般的に同じ品種であれば大きければ大きいほど味が良くなります。大きい梨を作るには、一本の木につける実の数を減らして一つ一つの実に栄養を集中させるようにします。なので大きければ大きいほど味が良くなるのです。また、大きくなる実はそれだけ栄養を蓄えた実と言うことでもあります。その他、大きい梨は皮や芯を除いた可食部が多くなるというメリットもあります。
ご参考のために当園で出荷される梨をサイズ毎に並べてみました。(写真は幸水梨5キロです)
1個 720g前後 |
1個 630g前後 |
一般に出回らないサイズです。 |
1個 560g前後 |
1個 500g前後 |
幸水梨では一般に出回らないサイズです。 豊水梨ではデパート等で大玉とされるサイズです。 |
1個 460g前後 |
1個 420g前後 |
幸水梨ではデパート等で大玉とされるサイズです。 豊水梨ではスーパーで大玉とされるサイズです。 |
1個 390g前後 |
1個 360g前後 |
幸水梨ではスーパーで大玉とされるサイズです。 豊水梨ではスーパーで一般的に売られるサイズです。 |
1個 335g前後 |
1個 315g前後 |
スーパーで一般的に売られるサイズです。 |
地方によりサイズ分けの基準が違うようなのでご注意が必要です。当園で5Lサイズのものが地方によっては6Lサイズになる場合もあるようです。個数で比較していただく方が良いようです。
ご注文の際、玉数のご指定は承れませんので予めご了承ください。
.
梨の品種について
当園で生産・販売している梨は幸水・豊水・あきづきです。農林水産省やウィキペディアなどから情報を集めて系統図を作ってみました。
幸水は、菊水というとても甘い青梨と、栽培しやすい早生幸蔵という赤梨との掛け合わせで生まれた品種で、現在でも国内で最も生産されている人気品種です。早生幸蔵の「幸」と菊水の「水」から「幸水」という名前がつきました。
夏の暑い盛りに出荷される梨で、甘みが強く、酸味が少ないのが特徴です。形は豊水などと比べるとやや平らな感じです。当園では例年8月10日〜15日頃が一番の旬です。
彩玉は、埼玉県農林総合研究センター園芸研究所(現:埼玉県農業技術研究センター久喜試験場)で育成した埼玉県のオリジナル品種です。1984年に「新高(にいたか)」と「豊水(ほうすい)」を交配し、選抜を重ねて育成した新品種で、2005年2月、農林水産省に品種登録されました。埼玉県育成品種であることを活かし、生産は埼玉県内に限定されています。「幸水」以上に甘い(糖度13度から14度)梨です。「幸水」が終了する8月中旬から下旬頃が収穫期です。
豊水は幸水とイ−33を掛け合わせた品種で、幸水に次いで2番目に生産量が多く、人気の高い品種です。
幸水が終わるのとほぼ同時に収穫される梨で、糖度は幸水以上ですが、やや酸味があるため幸水と同じくらいに感じます。玉が大きくなるのも特徴で、幸水より1サイズ大きくなります。当園では例年9月1日〜10日頃が一番の旬です。
あきづきは生まれて間もない品種ですが、父が幸水、母方の祖父が豊水というサラブレッド品種で、近年人気の高まっている品種です。豊水が終わる頃に収穫されます。見た目や味は幸水に近く、甘みは幸水以上です。豊水同様、玉が大きいのも特徴です。当園では例年9月15日頃が一番の旬です。
鈴木梨園収穫カレンダー
※その年の気候により変動します。